1.個人調査(仕事や職業生活における不安やストレスに関する事項)
(1)仕事や職業生活に関する強いストレスの状況
2024(令和6)年7月25日に厚生労働省より、「2023(令和5)年労働安全衛生調査(実態調査)」が公表されました。今回の調査結果によれば、現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安、悩み、ストレス(以下「ストレス」という。)となっていると感じる事柄がある労働者の割合は82.7%(令和4年調査では82.2%)となっています。
その内容をみると、「仕事の失敗、責任の発生等」で39.7%(同35.9%)と最も高くなっており、次いで「仕事の量」が39.4%(同36.3%)、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」が29.6%(同26.2%)となっています。
要因を男女別に分けると下記の結果になっており、対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)が男性よりも女性の方が高くなっています。
★男性
第1位:仕事の量(41.9%)
第2位:仕事の失敗、責任の発生等(39.2%)
第3位:仕事の質(28.9%)
★女性
第1位:仕事の失敗、責任の発生等(40.2%)
第2位:仕事の量(36.3%)
第3位:対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)(33.7%)
また、就業形態別では、下記のようになっています。
1位:正社員(86.1%)
2位:派遣労働者(83.5%)
3位:契約社員(79.8%)
4位:パートタイム労働者(65.2%)
(2)仕事や職業生活に関するストレスの相談状況
現在の自分の仕事や職業生活でのストレスについて相談できる人がいる労働者の割合は94.9%(令和4年調査では92.1%)となっています。
ストレスを相談できる人がいる労働者について、相談できる人では、「家族・友人」が71.7%(同68.4%)と最も多く、次いで「同僚」が64.9%(同68.0%)となっています。また、ストレスについて相談できる人がいる労働者のうち、実際に相談したことがある労働者の割合は73.0%(同69.4%)となっており、その中で実際に相談した相手をみると、「家族・友人」が65.7%(同62.0%)と最も多く、次いで「同僚」が60.0%(同63.5%)となっています。
2.事業所調査(メンタルヘルス対策に関する事項)
(1)メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者の状況
過去1年間(令和4年11月1日から令和5年10月31日までの期間)にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%(令和4年調査は13.3%)となっています。
このうち、連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は10.4%(同10.6%)、退職した労働者がいた事業所の割合は6.4%(同5.9%)となっています。また、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者の割合は0.6%(同0.6%)、退職した労働者の割合は0.2%(同0.2%)となっています。
(2)メンタルヘルス対策への取組状況
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.8 %(令和4年調査は63.4%)となっています。なお、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所についての取組内容(複数回答)は以下のようになっています。
第1位:ストレスチェックの実施(65.0%)
第2位:メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施(49.6%)
第3位:職場環境等の評価及び改善(ストレスチェック結果の集団ごとの分析を含む)(48.7%)
第4位:メンタルヘルス対策に関する事業所内での相談体制の整備(45.0%)
第5位:メンタルヘルス対策に関する労働者への教育・研修・情報提供(33.3%)
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