メンタルヘルス・マネジメント検定試験の目的
厚生労働省による「労働安全衛生調査」(2022年)の結果報告によれば、仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は、82.2%となっており、多くの方がストレスを感じながら仕事をしていることがわかります。
長期にわたるストレスは、うつ病などの精神疾患を引き起こすことがあります。うつ病は、いつもなら楽しかったようなことでも、楽しみや喜びを感じなくなったり、何をしていても憂うつな気分を感じてしまうような状態が2週間以上継続する病気です。
うつ病の状態まで進むと、休養や治療が必要になり、回復にも時間がかかります。そのため、うつ病などの精神疾患になるまでに、適切な対処をすることがとても大切になります。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、職場におけるそれぞれの立場からストレスへの対処に必要なメンタルヘルスに関する知識と技術を学び、その理解度を問う検定試験です。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、産業保健の視点からだけでなく、人的資源の活性化、労働生産性の向上などの人事労務管理、企業の社会的責任(CSR)の推進の視点から、働く人たちの心の健康の保持増進を図ることを目的としています。
引用元:メンタルヘルス・マネジメント検定試験HP
メンタルヘルス・マネジメント検定の3つのコース
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、対象別にⅠ種(マスターコース)、Ⅱ種(ラインコース)、Ⅲ種(セルフケアコース)の3つのコースに分けられています。
Ⅲ種(セルフケアコース)
メンタルヘルス対策を進めるための基本的な方向を示した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、労働者自身がストレスに気づき、対処することの重要性を指摘しています。
ストレスの原因となる要因は、仕事、職業生活、家庭、地域等に存在している。心の健康づくりは、労働者自身が、ストレスに気づき、これに対処すること(セルフケア)の必要性を認識することが重要である。
引用元:厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
Ⅲ種(セルフケアコース)は、一般社員を対象としており、労働者自身がストレスによる不調に早期に気づき、自ら適切に対処することができることを目的としています。
Ⅱ種(ラインによるケア)
職場におけるメンタルヘルス対策にとって、管理監督者の役割は非常に重要です。なぜなら、管理監督者は、部下である労働者の状況を日常的に把握しており、早期に対処できる立場にあることと、職場環境等の把握と改善を行える立場にあるからです。
管理監督者は、部下である労働者の状況を日常的に把握しており、また、個々の職場における具体的なストレス要因を把握し、その改善を図ることができる立場にあることから、職場環境等の把握と改善、労働者からの相談対応を行うことが必要である。
引用元:厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
Ⅱ種(ラインによるケア)は、管理監督者を対象としており、部下である労働者が不調に陥らないようにするための対応方法を身につけることを目的としています。
Ⅰ種(マスターコース)
労働者の心の健康健康づくりを推進していくためには、組織的かつ計画的な実施が必要となります。
職場に存在するストレス要因は、労働者自身の力だけでは取り除くことができないものもあることから、労働者の心の健康づくりを推進していくためには、職場環境の改善も含め、事業者によるメンタルヘルスケアの積極的推進が重要事であり、労働の場における組織的かつ計画的な対策の実施は、大きな役割を果たすものである。
引用元:厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
Ⅰ種(マスターコース)は、人事労務管理スタッフ及び経営幹部を対象としており、メンタルヘルス対策を組織的かつ計画的に行うためのメンタルヘルス計画の策定や労働者への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができることを目的としています。